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うわぁ、ちょっと書き出してしまった。
気が向けば続き書きます。

メルフォレスv


ジンさん>

わわわ、『君の~』にそう言って頂けて嬉しいです。更新履歴をみると、ちょうど2年前で更新が止まってるんですよね^^;ちょっと続きの内容を忘れかけて・・・忘れて・・・いまして。読み返したら思い出すと思うんですが(コラ 学パラの長編が終わって、まだ書く気力があれば手をつけていこうと思ってはいるんですが。ちょっと厳しい感じです。スミマセン~><

水青さん>
波の国、ちょこっとだけ書いてみました。正直どう話を続けていこうというのはまだ決ってません^^;サイトにupできるかどうかも危うい。暗い中にも希望があるお話にできたらーと思ってます。ニコ動、見れる時に見てみて下さい~。後半のRadの曲がすごくマッチしてるんですv


いまさら波の国(サスナル)



もう本当にあの時は体が勝手に動いて
例えば一歩前に足が出るだけで相手の攻撃範囲に入ってしまうだとか
例えばその小さな体に手を伸ばすだけで無防備になってしまうだとか
そんなことは本当に考えてなかったんだ

それが命の選択だということさえ判断できなかった自分は、間違いなく愚かであるという言葉を否定できないだろう。
部屋で目が覚めて、自分を取り巻く状況を受け入れた時まず、最初にサスケが思ったことはそれだった。
自分より強い忍がいることはどうしようもない。それが敵であり対峙することもあるだろう。正しい状況判断が自分を生かし、成さねばならないことを達成することができる。まずは生きなければならないのだ。己を伸ばすのもあたり前に命あってこそ。
簡単に投げ出してしまっていいものではないはずだった。
己にかした責はそんな軽いものではない。


力が欲しい
ずっとそう思ってきた。あの日から。
すべてが自分に優しく、厳しく、そしてあたたかであったものが消え去ってしまったあの日から。
圧倒的な力を。なにをも捩伏せ、奪ってしまえるほどの力。
まだ、手は届いていない。

兄さんのように――――

違う

なれるよ、お前なら

違う

兄さんみたいに――――!

違う!

もっと上を目指さないと
そう、木葉の英雄と言われるくらいに――――サスケ

違う

違う!

今自分が目指す高みは
希む場所は


そんなぬるい甘やかな記憶なんて消し去って。
この深い夜の海に沈めてしまって。
もう同じことにはならないと強く誓った。

そして生き抜いて――――!

首をめぐらせ見上げた先には、薄い雲に覆われた冷たい月。


次にサスケが目を覚ました時目に入ったのは、窓に切り取られるようにしてあった水色の空だった。そして規則的に耳を打つ波の音。前に目を覚ました時には感じなかった全身を襲う鋭い痛みにサスケは眉を寄せた。
ゆっくりと首を仰向けた途端走る痛みに漏れそうになる声を押し殺す。手をやろうとして、やはりズキンと刺さるような痛みにサスケは腕の力を抜いた。
どうやら自分は満身創痍というやつなのだろう。それに熱もあるようだった。自然もれる熱い息。巻かれた包帯が己の汗で湿っているのがわかる。小さく身じろげばさらとするはずの布同士の擦れる感触はなく、着せられた寝巻きさえもじっとり重く感じられた。
「目が覚めたか、サスケ」
「……ぁ…」
声を出そうとして、しかし鋭く走った痛みに息をつめた。
「喉は特に酷いから話さない方がいい。痛み止めも切れてるからな」
言われたとおり開きかけた口を閉じる。それでも声のした方へと首をめぐらせた。ちょうどカカシが立ち上がる気配がする。音もなく近づくとサスケの枕元に腰を下ろした。
「化膿はしてないようだが、腫れて熱を持ってる。しばらくは動かない方がいい。痛みが我慢できないようなら痛み止めを出すが・・・・・・・」
カカシが言い終わる前に、サスケは小さくかぶりをふる。
覚えている限り、床に伏せなければならない程の怪我を負っているのは自分だけだ。この酷い痛みを麻痺させてくれるのはありがたいが、痛みを認識しなければ体の回復は遅くなる。サスケは早々にも床払いがしたかった。
それが分かっているカカシは、熱と痛みに耐えるサスケを見ても特に気遣う様子は見せない。今のサスケにはそれがありがたかった。
「千本を抜いたとき出血した。もう止まったみたいだな。痛むだろうが朝食の前に着替えと包帯を替えるからそれまで」
眠れるようなら眠っておいたほうがいい、まだ朝には早い。そう続けてカカシは腰を上げた。
「……カ……シ…」
痛みを押して呼んだ声は波の音に消されそうなほど、弱々しく小さなものだった。しかし、それに気付いたカカシが振り返る。
「ナルトたちはまだ呼ばないよ。あいつらうるさいからね」
右目だけで笑んで見せるとカカシがそう言った。
言いたいことを先回りされたかたちとなって、サスケは安堵とともに目を閉じる。カカシはうるさいからと言ったが、間違いなくサスケの心情をくんでの言葉だろうと思えた。
いくら仲間を庇うためとはいえ無様に敵の前に倒れた自分。
それ以上の失態はないとは思えるが、だからといって弱っている自分を見せたいだなんて思うわけもない。
だから、庇われたあいつのことを慮ってのことだなんて。ここまで弱った自分を見てあいつがどう思うかなんて。
そんな優しさとも言えないような、甘いことを自分が思うわけが。
「また来るよ、サスケ」
意識の隅にぱたんと閉じたドアの音が小さく聞こえたのを最後に、サスケは闇へと飲み込まれた。




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