×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
LINKにアキヒカサイト様を追加させて頂きました。大好きなサイト様です。アキヒカ好きさんは是非にvネットマナーは守って下さいね~。
さて、どしどしピョンちゃんから原稿が返ってきております。ラフでだいたいは見てるんですが、やっぱりこうやって清書されてくると惚れ惚れしちゃいますね。これだけ絵が描けたら楽しいだろうなぁ。いいなぁ。
二次創作(明瑚さんの場合は小説)って妄想してるときが一番楽しくて、書いてる時はさほど楽しくもないし、どっちかというと苦痛に近いんですが(うぉい!!)今回は原作というかネーム担当なので、棒人形かいて渡せば、綺麗になって返ってくるというまさに、頭の中にある萌えを文章に変換してくれるような便利な機械はないかいなと、常日頃思っていたことが実現するわけなんですよね。楽しくないわけがない。その変わり、ピョンちゃんが一身につらいわけですが^^;
『迷走飛行症候群』10話目の続きをupしました。
くどいですが、一応サスケさんの背景を描いてみました。スロースペースに進んできていて、そろそろ加速するかと思っていたのですが、まだちょっとかかりそうですね。もうちょっと彼には思い出してもらいたいことが何個かあるので。
迷走飛行症候群10話目の続き
夏休み5日目。全国大会に向けて剣道の練習は厳しさを増していた。木葉学園は文武両道をもっとうとし、進学校でありながらスポーツにも力を入れている。
その中でも武道は群を抜いていて、サスケ属する剣道部はもちろん、柔道、空手は都予選は常連だった。中学でこういった武術系のクラブはやはり数が少なく、野球やサッカーと花形スポーツに比べ上位に食い込みやすい。とはいえ、たいていの部員はどこぞの道場に所属しているため、そういった意味では個人のレベルは高いといえた。
剣道の有段者を父にもつサスケは幼少の頃から剣の道を叩き込まれ、中学部で剣道部に入って以来レギュラーから外れたことはない。月に2回高等部の先輩らと行う合同練習の勝率も悪くなかった。低段とはいえ2段3段と自分より上の段を持つ彼等にも引けをとらないサスケだが、段位取得の制限のため今春にようやく初段から2段へと昇段したところである。中学2年ではじめて昇段審査で初段を受審する資格を持つ。段位を取ろうという者にとって初段は待ちに待った試験であり、その分間口は広い。サスケと同学年の部員は怪我のため試験を受けれなかった者以外揃って初段だ。次に受ける昇段審査でふるいにかけられ、今2段であるのは副将のサスケと主将の二人だけだった。大会は団体戦と個人戦とあり、サスケは両方出場予定になっている。
今までは部活と週に2度程度の父との稽古と自主練だけであったが、大会を前にそれだけでは足りないと、夕方からは父の知り合いがボランティアで運営している明光館に通いはじめた。
サスケは特に剣道を極めようという志しはない。警視長である父のように警視庁を目指しているわけでもない。ただこの大会を期に剣道の道を邁進するのを終りにしよ
うとは思っていた。サスケの父フガクは自分のように息子には警視庁に勤めることを希望していた。長男のイタチが医師を志望している以上、その期待はサスケに向けられる。しかし、サスケは父のように警視庁の人間になる気はなかった。警視以上の昇進を望もうとすれば人事によっての登用になる。正当性の高い試験登用とは違うため、本人の能力はもとより身の振り方にも関わってくる世界であることが分かる。サスケの能力を持ってすれば、労せずして泥沼化が予想される蹴落としあいは回避できるだろう。
それでもサスケは己の理解しがたい歪んだ精神に多く接するようなことは何がなんでも避けたかった。キャリア組になるとしても始まりは皆警部補か巡査部長。犯罪者のような異常をきたした精神には触れる機会が多いスタートはごめんだった。
同じ理由でイタチのように医師を目指す気もない。外科などは叫び声だらけだろうし、内科の破棄のない呟きも聞きたくない。診療内科など以っての外だ。歪んだ精神に引きずられるのがおちである。
サスケは自分がそういった輩を必要以上に嫌悪に近い思いで避ける傾向にあるのは自覚していた。何がきっかけでとかそういった心当たりはなく、己の特殊な体質のせいなのだろうと片付けているふしがあった。
とにかくサスケは父に恥じぬよう、大会では成績を残そうと思っている。そんな朝から昼までは部活で汗を流し、夕方には明光館に通うという日々の中、自分が誘うよりも早く、イタチがナルトを家に誘ったという事実は衝撃であった。
5時からある明光館の稽古に参加するため、玄関を出たところでインターホンを押そうとしているナルトを見つけたサスケは、一瞬固まった。サスケが何かを言う前に気付いたナルトは、しかし条件反射のようにボタンを押していたようで、自分の背後でなんとも間の抜けた音が2度鳴ったのだった。
「おーす、サスケ。久しぶりだってばよ」
片手をあげてにっと笑ってみせるナルトに、サスケはとっさに彼が自分に会いに来たのだと思った。
「サスケこれから稽古?」
肩に担いだ防具入れと竹刀をちらと見たナルトがサスケに確認する。「ああ」とこくりと頷けばナルトは「ちぇー」と唇を尖らせてはいたが、別段残念がっている風体でもなかった。
それでも、会いに来るのであればせめてメールなり電話なりしてから来やがれと、サスケが口に出そうとした時、背後で玄関の開く音がした。
「いらっしゃい、ナルト君」
にこりと笑みのような表情を張り付かせたイタチが立っていて、そこでサスケはナルトが自分ではなくイタチに誘われてここに来たのだと知った。ムカムカとしたものがサスケの胸に広がる。それに追い撃ちをかけるように、
「まだいたのか、サスケ。遅れるぞ」
そうイタチが言った。その言葉に「今から行くんだよ」と怒気まじりに返し、サスケは防具入れを抱えなおす。ずんずんとナルトの前まですすみ、自分と彼を隔てる門扉を乱暴に開け放った。
「明日。あいてんのかよ」
唐突とも思えるようなタイミングでサスケがナルトに向かって、聞きたいことだけを口にした。
「は?」
機嫌の悪さがうかがえる口調と憮然としたおももちでそう口火を切ったサスケに、ナルトは一瞬呆けてしまう。
「は、じゃねぇ。明日あいてんのかって聞いてんだ、ウスラトンカチ」
癖のようについて出たサスケの悪態に、ナルトがあからさまにムッとした顔になった。
「あいてたら何なんだってばよ」
「今日オレが終わるまで待ってろお前」
「はぁ?!」
サスケはナルトがうるさくまくし立てる前に自転車を取りに行く。何か喚いているのが後ろで聞こえたがサスケは涼しい顔で無視をした。
ナルトの性格上一方的な言葉は腹立たしいものに違いない。しかし、サスケはナルトが自分の言葉に反して帰ってしまうということは、これっぽちも疑っていなかった。どうして負けん気の強い彼が自分に何も言えずしてここを去ることがあるだろう。文句のひとつやふたつ、自分に言ってやりたいに決まっている。
明日があいているというのなら都合がいい。サスケも明日はクラブの練習はなかった。夕方から明光館の練習はあるけれど、参加はサスケができる範囲でと、随分融通はきく。今日のうちに連絡を入れておけば問題はないだろう。
サスケが自転車のナンバー型ロックを外し、玄関を振り向けば調度ナルトが家に入って行くところだった。ナルトを迎え入れて前を歩いているだろうイタチを思うと、サスケの胸は嫌な感じにざらりと擦れる。それを疑問に思うことなく、その苛立ちにも似た嫉妬をサスケは受け入れていた。
忘れていた感情の放出は、あの日サスケが断片的に思い出した内容の比にならない勢いでサスケの胸をまさに焦がしたのだ。
サスケが特殊であるように、サスケにとってもナルトは特殊で、沸き上がる側にいたいと思う気持ちは、今まで誰にも感じたことのない強いものだった。
他と比べられるわけがない。
ナルトはサスケの唯一だった。独占という言葉が何度も頭をめぐり、それを否定することなど思い浮かびもしない。
すでにサスケの中でナルトは、あたり前に自分の側にいなければならない存在として捉えられていた。
PR
*calendar*
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | |||
5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
*search*