新刊サンプルぅ 2009.04.02 Thu 12:49 | naruto（サスナル）

仕事が休みの日って、日記書こうと思えないんですよね(￣▽￣；)
筆がー進まないーーー。
前に新婚本みたいなこと言ってたよね。確かにイラストは新婚ですよ。目にまぶしいもの。
しかもあちらこちらで見かける新婚漫画を見ると、おーーい、うちのアレは果たして”新婚”といふ単語を使っていいのか!?と激しく自問自答してしまいます。

アレか？新婚っちゅうのは、一緒に食事を作って食べたり、お揃いの食器を買いに行ったり、一緒に風呂に入ったり、いってらっしゃいとおかえりなさいのキスをしたり、トイレに一緒に入ろうとしたり、週のエッチの回数を決めてみたりとかですか？！

どれもかすってないなぁ。はは、はは。

以下どのあたりが新婚なのかまったく不明な新刊サンプル
（いやくっついた後はきっとラブいはずなのよッ）

DOLCE　VITA　サンプル

「ただいま」
玄関の明かりもない様子に気がきかねぇヤツとこぼしながらも、感じるかすかな気配に頬が緩んだ。今までナルトはそんなことをしたことはなかったかと、サスケは手探りで玄関先の外灯のスイッチを探す。すぐに彼の手元からパチンと小さな音がして、玄関のガラス戸の向こうでチカチカと数度点滅したのち明かりがともった。
それを背にサスケは音も立てずに廊下を歩く。腰に下げた忍具入れを外して、やはり真っ暗な居間へと顔を出した。少しの逡巡ののち部屋の明かりをつける。出来るだけ音を立てないように手に持っていた忍具入れを棚の上に置き、手早くホルスターも取ってしまうとその横に並べた。
居間の廊下を挟んだ向かいの和室からは豆電球のかすかな明かりが漏れている。風呂に入る前に二人の顔を見てからと、サスケはそっと襖に手をかけた。薄暗い中、夜目に慣れている目がその姿をみとめて動きを止める。ドクドクと心臓が早鐘を打ち出した。
「……ナルト」
サスケの独り言のような呼びかけに布団の上に胡座をかき、腕にサナを抱いて眠っていただろうナルトがゆっくりと顔を上げた。長い髪をうっとうしそうに払って。
「あー、おかえり……」
開ききらない目をサスケに向け、そう言葉を発した彼の声はかすれていても高く部屋に響く。その声の高さにさらにサスケの鼓動はドクンと跳ねた。
見慣れて違和感さえ感じないその姿に、サスケはしばらく茫然と立ち尽くしていた。何度目かの呼びかけに応えるようにサスケは座るナルトに近づいていった。
確かめなければと。
お前は見た目通りのナルトなのか、それとも自分が求めてやまないあのナルトなのか。
見上げて名を呼ばれるだけでは分からない。それだけじゃ……。

お前は、だれだ―――？



腕に抱き込む小さな体がようやく動かず声もたてず、ただ小さな寝息に変わったのを見送ってナルトもうつらうつらと眠りかけていた。サナを布団に寝かせなければと思いつつ、寝かせた途端に起きてしまったらどうしようと腕に抱いたままどうすることもできず、襲い掛かる睡魔には慣れない子守という気苦労が重なってもはや敵前逃亡のナルトである。ただやはり足で安定させているとはいえ、落としてはいけないという気持ちから眠りはとても浅く、カラカラという音を遠くで聞いた。
（ああ、サスケが帰ったんだ……）
ナルトの心に大きな安堵の気持ちが広がる。たった半日サスケが任務から帰るのが遅いだけで自分でも驚くほど動揺していた。サナが泣くたびに何ともいえない不安にかられていたのだ。
随分思い悩んだ末、ナルトは結局変化の術で女の姿になりサナをあやし続けた。いくら同じ人物といえ、柔らかさも声も違う自分より慰められるんじゃないかと思って。予想通りサナは悲鳴のような声で泣くことはなくなった。ホッとしたと同時に寂しさを感じたのは仕方がない。
しかし自分の子供としてこれから育てていく上で、やはりそれは寂しく悲しいことじゃないだろうか。
もういない面影を探して泣くサナをこれから何度見なければならないのだろうかと、ナルトはらしくもなくため息のように息をゆっくり吐き出した。サスケの言った『サナには母親が必要だ』という言葉はそうゆうことなのかもしれないな、と心の隅で思う。彼女は必要とされている。あまり突き詰めて考えたくはないことだった。
（でも良かった。サスケが帰って来て……）
途中、ナルトはサスケに何と罵倒してやるかとそればかりを考えていた。帰ってきたら絶対文句の一つや二つ言ってやろうと息を巻いていた。
でもようやくサナも夜の住人となりおだやかな時間を取り戻した今、素直にサスケの帰宅を喜んだ。
しかし名前を呼ばれ条件反射のように口が「おかえり」とサスケの帰宅を労い、薄暗い中でも見えたサスケの表情に気付いた瞬間。
ああ、やっぱりお前もオレじゃなくて彼女を求めてるんだなと思ってしまった。


ラブコメって言ってたよねぇ!?