冒頭みたいな 2008.12.16 Tue 00:50 | naruto（サスナル）

こんな感じでくらーくいきますよ

チラチラと明滅する無数の光。視界の隅に不規則な調子で映るそれが、横たわる彼の鼓動であるのだと無意識下で思う。
カプセル状の冷却装置に寝かされた体から無数に伸びる細い管が、ぐるりと囲むように設置してある機器に繋がれ、深く眠る彼はあたかも蜘蛛の巣に捕われた蝶のように見えた。
かたく閉じられたまぶたが震えることもない。
本来よく動く唇がほころぶこともない。
静かに見下ろすサスケに、笑いかけその声を聞かせることも今は何も……。
「ナルト……」

手は尽くした。やれるだけのことはやった。
えぐり取られたお前の心臓の変わりに、そこに何を詰め込めば満足してくれる？
お前のための心臓を何十用意したら、その蒼い瞳を開いてくれる？
何百用意したらこの名を呼んでくれる………！？
ナルト……。
もうこの方法でしか、オレはお前を殺し救うことができない。