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ノッてる時に書くべし。
STORYからの続きになります。
おっとと、リブレットさんより『DOLCE VITA~甘い生活』が通販受付開始したようです。
ってか、特設ページ超恥ずいんですけどッ><
迷走飛行症候群⑥
今、ナルトの息が手にかかった。
迷走飛行症候群
サスケは押し付けられたネクタイを無意識に手でにぎりしめていた。
できたらこういった接触は避けたい。意識することである程度の雑音は遮断することが出来るようになったが、距離が近ければ近いほどそれは困難になる。接触はより酷くサスケの意思は関係なくその声は明瞭だ。
サスケはこれまでに『相手が今どう思っているか』という誰もがあたり前に持っている欲求を今まで感じたことがない。それはそう欲求する間もなく相手の声が聞こえてしまうというサスケの特異な能力が起因しているのも事実だが、それでもこの能力を駆使してどうこうしたいと思ったことはなかった。
「早くしてくれってばよー」
幼い子供が足踏みしながらねだるようにナルトがサスケを急かす。その様子が存外に可愛らしくて、サスケはチッと行儀悪くも舌打ちすると椅子から立ち上がった。
そんなあから様に渋々な態度をとるサスケを特に気にした風もなく、ナルトは心持ち首をあげ大人しく待っている。
両手で持ったネクタイをナルトの首にかけようと腕を持ち上げかけ、サスケは慌てたようにネクタイをナルトに突っ返した。
「結んでやるから、とにかく自分で巻けよ」
「分かりましたってばよー」
ナルトはシャツの襟を全部上げ、突き付けられた自分のネクタイを首に引っかける。
「これでいいってば?」
「ああ」
サスケはナルトの胸元に垂れるネクタイを両手で持つと長さを整え始める。一瞬周囲がざわついたように感じたが、目の前のナルトの首の頼りなさにそれも気にならなくなった。
細い首にのった小さな頭がサスケの手元を確認しようと前へと傾けられる。手に、息がかかった。
サスケは目線をあげることも出来ずに、自分の手元ばかり意識を向ける。黙っていると落ち着かなくて当たり障りのない話題をナルトにふった。
「一番簡単なやつもできないのか?」
「オレってば自分でやったことねぇもん。前の学校は学ランだったし」
サスケの気まずさなど何とも思ってない風体でナルトは軽く答える。
「へぇ、オレも学ランが良かったぜ。ネクタイもねぇし、短ランとかカッコイイしさ」
ナルトを見上げながらキバが羨ましそうに言った。
「えー、学ランだったら長ランの方がぜってぇカッコイイ!」
「……今時長ランはねぇだろ」
馬鹿にしたように言うサスケに拗ねたナルトが唇をとがらせた。
「オレらのガッコじゃ長ランは頂点を極めた男だけが着ることのできる特別なもんだったってばよ!」
「どんな学校だよ。まさか番長とかまでいるんじゃねぇだろうな」
笑いながら冗談めかしてキバが聞く。
「もちろんいたってばよ。ちょーかっけぇの!『鬼のマダラ』っていえば知らねぇやつはいなかったもんな!」
嬉しそうに答えるナルトのかたわら、サスケは沈黙し、キバは「へぇ」と引きつった笑いを浮かべた。
どうやらナルトは非常に特殊な環境で過ごしていたらしい。
そこはかとなく失笑があがったような気がして、なんとはなくだがこんなところにまで名を出される頂点を極めたらしい『鬼のマダラ』さんとやらにサスケは同情した。まぁ本人は目立ちたくてそんな恰好をしているのだろうが。
「それよりてめーは覚える気はねぇのか」
サスケは気を取り直しておしゃべりに興じるナルトに釘をさす。
「なにが?」
「なにがって結び方に決まってんだろ。まさか毎日オレに結ばせる気じゃねぇだろうな」
「も、もちろん覚える気満々だってばよ?そりゃ毎日こうやってやってもらうのもいっかなーとは思うけどさ!」
ニヘラと笑ったナルトを視界に入れた時、周囲が一瞬波打ったような気がした。
直後、近距離から甲高い声がサスケの頭を直撃した。
『やーん!なんて羨ましいヤツって思ってたけど、これはこれで萌えだわっ……!』
『こうやって並ぶと凄くお似合いのような気がしてきたんだけど……!』
(な……ッ!?)
『身長からしてサスケくんが攻めね……!』
『マイカプ決定!!』
『ネクタイ萌えーー……!!』
次々と訳の分からない言葉がサスケを襲う。
ありとあらゆる視線がここに集まっていることに遅ればせながらサスケは気づいた。
周囲を探ろうとして、しかしサスケはその衝動をぐっと我慢する。
「うちは……?」
ピタリと動きをとめたサスケを若干自分より身長の低いらしいナルトが怪訝そうに見上げてくる。
そのあどけない様子が可愛らしく目に映ったのはサスケだけではなかったようで、
『うそっ、転校生ってば何気に可愛い……!!』
『そのまま押し倒しちゃてサスケくん……!』
周囲の歓声も手伝って、サスケの顔に熱が集まりだす。
(てめーら黙りやがれ……!)
震えそうになる手を無理矢理押さえ付け、つかんだネクタイを少々乱暴に手早く結ぶ。
「わ、待って待って。そんな早かったら覚えらんねぇってば!」
慌てたようにナルトがサスケの手を掴む。
『『『きゃーーー!』』』
(うるせぇー!!!)
ああ、楽しい。イイなサスナル!!
今、ナルトの息が手にかかった。
迷走飛行症候群
サスケは押し付けられたネクタイを無意識に手でにぎりしめていた。
できたらこういった接触は避けたい。意識することである程度の雑音は遮断することが出来るようになったが、距離が近ければ近いほどそれは困難になる。接触はより酷くサスケの意思は関係なくその声は明瞭だ。
サスケはこれまでに『相手が今どう思っているか』という誰もがあたり前に持っている欲求を今まで感じたことがない。それはそう欲求する間もなく相手の声が聞こえてしまうというサスケの特異な能力が起因しているのも事実だが、それでもこの能力を駆使してどうこうしたいと思ったことはなかった。
「早くしてくれってばよー」
幼い子供が足踏みしながらねだるようにナルトがサスケを急かす。その様子が存外に可愛らしくて、サスケはチッと行儀悪くも舌打ちすると椅子から立ち上がった。
そんなあから様に渋々な態度をとるサスケを特に気にした風もなく、ナルトは心持ち首をあげ大人しく待っている。
両手で持ったネクタイをナルトの首にかけようと腕を持ち上げかけ、サスケは慌てたようにネクタイをナルトに突っ返した。
「結んでやるから、とにかく自分で巻けよ」
「分かりましたってばよー」
ナルトはシャツの襟を全部上げ、突き付けられた自分のネクタイを首に引っかける。
「これでいいってば?」
「ああ」
サスケはナルトの胸元に垂れるネクタイを両手で持つと長さを整え始める。一瞬周囲がざわついたように感じたが、目の前のナルトの首の頼りなさにそれも気にならなくなった。
細い首にのった小さな頭がサスケの手元を確認しようと前へと傾けられる。手に、息がかかった。
サスケは目線をあげることも出来ずに、自分の手元ばかり意識を向ける。黙っていると落ち着かなくて当たり障りのない話題をナルトにふった。
「一番簡単なやつもできないのか?」
「オレってば自分でやったことねぇもん。前の学校は学ランだったし」
サスケの気まずさなど何とも思ってない風体でナルトは軽く答える。
「へぇ、オレも学ランが良かったぜ。ネクタイもねぇし、短ランとかカッコイイしさ」
ナルトを見上げながらキバが羨ましそうに言った。
「えー、学ランだったら長ランの方がぜってぇカッコイイ!」
「……今時長ランはねぇだろ」
馬鹿にしたように言うサスケに拗ねたナルトが唇をとがらせた。
「オレらのガッコじゃ長ランは頂点を極めた男だけが着ることのできる特別なもんだったってばよ!」
「どんな学校だよ。まさか番長とかまでいるんじゃねぇだろうな」
笑いながら冗談めかしてキバが聞く。
「もちろんいたってばよ。ちょーかっけぇの!『鬼のマダラ』っていえば知らねぇやつはいなかったもんな!」
嬉しそうに答えるナルトのかたわら、サスケは沈黙し、キバは「へぇ」と引きつった笑いを浮かべた。
どうやらナルトは非常に特殊な環境で過ごしていたらしい。
そこはかとなく失笑があがったような気がして、なんとはなくだがこんなところにまで名を出される頂点を極めたらしい『鬼のマダラ』さんとやらにサスケは同情した。まぁ本人は目立ちたくてそんな恰好をしているのだろうが。
「それよりてめーは覚える気はねぇのか」
サスケは気を取り直しておしゃべりに興じるナルトに釘をさす。
「なにが?」
「なにがって結び方に決まってんだろ。まさか毎日オレに結ばせる気じゃねぇだろうな」
「も、もちろん覚える気満々だってばよ?そりゃ毎日こうやってやってもらうのもいっかなーとは思うけどさ!」
ニヘラと笑ったナルトを視界に入れた時、周囲が一瞬波打ったような気がした。
直後、近距離から甲高い声がサスケの頭を直撃した。
『やーん!なんて羨ましいヤツって思ってたけど、これはこれで萌えだわっ……!』
『こうやって並ぶと凄くお似合いのような気がしてきたんだけど……!』
(な……ッ!?)
『身長からしてサスケくんが攻めね……!』
『マイカプ決定!!』
『ネクタイ萌えーー……!!』
次々と訳の分からない言葉がサスケを襲う。
ありとあらゆる視線がここに集まっていることに遅ればせながらサスケは気づいた。
周囲を探ろうとして、しかしサスケはその衝動をぐっと我慢する。
「うちは……?」
ピタリと動きをとめたサスケを若干自分より身長の低いらしいナルトが怪訝そうに見上げてくる。
そのあどけない様子が可愛らしく目に映ったのはサスケだけではなかったようで、
『うそっ、転校生ってば何気に可愛い……!!』
『そのまま押し倒しちゃてサスケくん……!』
周囲の歓声も手伝って、サスケの顔に熱が集まりだす。
(てめーら黙りやがれ……!)
震えそうになる手を無理矢理押さえ付け、つかんだネクタイを少々乱暴に手早く結ぶ。
「わ、待って待って。そんな早かったら覚えらんねぇってば!」
慌てたようにナルトがサスケの手を掴む。
『『『きゃーーー!』』』
(うるせぇー!!!)
ああ、楽しい。イイなサスナル!!
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